新たな成長を支えるビジネス基盤としての監査対応

また、業界のグローバル化や新しい国や地域への対応では、日本の部品サプライヤーは海外の自動車メーカーと取引する機会が増えてくると思います。というよりも、新たな取引先を増やさないことには持続的な成長目標は達成できない状況がすでに生まれつつあります。こうした業界の過渡期において、海外の自動車メーカーから求められる監査対応の仕組み、業界の新たなスタンダードを確立できていなければ、未来の成長の見通しは立てにくくなります。こう考えると、もはや監査対応はやむを得ないルール対応といったネガティブな課題ではなく、その成否がビジネスの収益に直結する新たな成長基盤ともいえるものなのです。

実際の取引においては、自動車メーカーごとに思想や考え方の違いがあることから、個別対応が必要になる部分も出てきます。たとえば、日本のメーカーでは納入する部品の数量やスペックなどは事前に内示、確定されることが常識なのですが、ドイツのメーカーなどでは車に取り付ける直前まで確定しないことがよくあります。このように在庫管理や変更管理に関して、異なる対応が必要になることも重要な留意点です。これ以外にも営業、販売から品質管理にいたるまでマイナーな個別対応が必要となるケースもありますので、新たな取引先との仕事においては、こうした差異を吸収していく柔軟性も求められることになります。

ドイツが世界に誇る自動車メーカーとの取引を通じて、さまざまな経験を培ってきたSAPでは、世界の自動車メーカーが直面するこれらの課題に対しても、最新のソリューションを通じて解決策を提言しています。次回は、部品サプライヤーにとって必須となる監査対応に有効なソリューションの具体像に迫ってみたいと思います。

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